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他人を省いて自分を生きる

リビングのデザインにテレビは要らない

リビングのデザインにテレビは要らない。

リビングで勉強する子は成績がいいという研究結果があるようだけど、あれってリビングが勉強に敵う環境にある家の子は成績がいいってだけだよね。要は、フレンチパラドクスや酒は百薬の長の誤り、朝食を食べる子ほど成績がいいってのと同じね。
そもそも、大半の家のリビングにテレビが置いてあるであろう点を考えると、単にリビングで勉強していることが学力の向上に繋がる筈がないんだよね。テレビ視聴は思考力とIQの低下しかもたらさないわけだから。
とすると、正確には「テレビの無いリビングで勉強する子ほど学力が高い」なのだろう。これならば辻褄の合った説明が可能。テレビというストレッサーが無いお陰で、思考停止や不要な焦りが無く、結果的に家族間の「論理性のある会話」がテレビがある場合よりも成り立ちやすいことは想像に難くない。まともな会話、まともなコミニュケーションが成り立つ空間が自宅にあれば、家族の誰もがそこに集まるのは必然的であり、そこでのコミニュケーションが子供のIQを育むのもまた必然。結果、勉強を含め、リビングが生活の中心になるような健全な家庭環境に育つ子供は学力が高い。ただそれだけのことだろう。
テレビがあるリビングで同じ結果は出ないし、そもそもテレビがある家庭のリビングはコミニュケーションが希薄かつ杜撰になるから、家族の誰にとっても生活の中心にならない。当然、子供は自室に篭るなり外に出かけるなりして勉強することだろう。
これが「リビングで勉強する子は成績がいい」の実態だろうね。ただし、テレビがあるリビングで勉強しても学力向上に繋がりそうな仮説は成り立つけど。例えば、テレビの雑音があり、テレビの内容に一喜一憂している頭の悪い家族の姿が視界にあるという環境での勉強は、もしかすると、子供にとってはノイズを排除してどこでも集中できるコンディションを作る訓練になっている可能性がある。そうした日々の訓練が、試験という状況での集中力を助けているというわけだ。だから、ノイズだらけのリビングでも勉強が「できている」子に限っては、それでも成績が上がるかもしれない。
蓋然性はかなり低いけれど。何せ、少なくとも一般的な傾向として、集中を要するタスクの効率は部屋が静かである程向上することが分かってるしね。それに、勉強「できている」かどうかを確かめるのが難しいだろう。扱う問題が個人差に由来するものであるため、同じ人物をテレビのあるリビングとテレビの無いリビングとで勉強させて、試験結果に有意差が認められるか否かを確かめねばならないわけだし。
なので、結局のところ、少なともこの研究結果の上では、テレビをゴミ出すというのが最も簡単で確実なる、子供の成績アップの最適解になるだろう。テレビを観ない生活を送っている身としては、その心理的な抵抗の程がわかりかねるので、「簡単」としたが。

もちろん、テレビの害悪は恐らくテレビ番組にこそあるわけだから、映画やドラマ、アニメを観るためだけに設置してある分には問題なさそうだが。